信仰の証
主の恵みを交わし。

壊れかけた家族の回復(長澤 喜美枝)

投稿者
tbic
投稿日
2020-11-27 19:28
閲覧数
554
無力

結婚して3人の子どもに恵まれ、夫の仕事も順調で、私は主婦として平穏な日々をおくっていました。ところが、ある日、高校3年生の娘が原因不明の貧血をおこし、大学病院を受診しました。するとそのまま入院となり、1カ月ものあいだ点滴だけの入院生活が続きました。貧血のため娘の血管が細くなり、何度もやり直さないと点滴の針が入っていかない。見ているだけで辛く、痛々しい姿でした。

それまでの私は、人生は自分の努力で切り開いていけるし、そのゴールは高学歴や社会的名誉だと思っていました。ですから、夫にも子どもたちにも、そんな立派さを期待していました。ところが、苦しむ娘を目の前に、何もしてあげることができない。私の腕を代わりに貸してあげるわけにもいかない。私は自分の無力さを思い知らされました。自分の努力や立派さではどうすることもできないところに置かれたのです。

そんな時、クリスチャンの友人の「祈るしかないのよね」ということばに、娘に私の腕は貸してあげられないけど、祈ることはできると思いました。でも問題は、私が神様を知らないということでした。誰に祈ればいいの?祈る相手がはっきりしなければ祈れない。神様って本当にいるの?娘はいま苦しんでいる。祈るなら今なのに、私は神様を知らない。どうすればいいの?せっぱ詰まった私の、神様を求めての教会通いが始まりました。神様がいるのなら早く知りたい。日曜日の礼拝をはじめ祈祷会や集会に出て聖書の話を聞き、聖書の神について必死に学びました。

慰め

娘は難病指定の病気にかかっていることがわかりました。現代の医療でも治らないと医師に告げられ、本当にショックを受けました。しかし、神様はいろいろなことを通して慰めと励ましを与えてくださいました。なかでも、新約聖書のヨハネの福音書9章1節~3節に書かれていることは、私の生きてきた価値観をひっくり返すようなものでした。「またイエスは道の途中で、生まれつきの盲人を見られた。弟子たちは彼についてイエスに質問して言った。先生。彼が盲目に生まれついたのは、だれが罪を犯したからですか。この人ですか。その両親ですか。イエスは答えられた。この人が罪を犯したのでもなく、両親でもありません。神のわざがこの人に現れるためです。」

それまでの私だったら、娘の病気は因果応報だったり、厄除けしなかったためだったり、自分を責めるか人を責めるかしかない。それが、「神のわざが現れるため」だなんて、そんなこと聞いたことがない。病気が、ダメなこと困ったことで終わるのではなく、そこに神のわざが起こるのだとイエスは言っておられる。このイエス・キリストというお方に、私もついていきたいと心から思い、1999年4月に洗礼を受けてクリスチャンになりました。

壊れかけた家族

神様を知る前は、自分や家族に問題があるなんて考えもしませんでした。しかし、少しずつ神様の真理の光がわが家に差し込んでくると、いまにも壊れそうで問題だらけの家族の姿が浮かび上がってきました。私が小さい時、両親がよくけんかをしていました。それがいやで、「大きくなったら、けんかをしない家庭をつくりたい」と心に誓いました。しかしそれが、自分をはじめ家族ひとりひとりの思いを心の中に閉じこめることになろうとは……。表面的には仲のよい、何も問題のない家族に見えても、実は、互いに気持ちを伝え合うことができない。それが私たち家族の実体でした。子どもたちは「どうせ自分のことなんか、わかってくれない」と、自分の殻の中に閉じこもっていたのです。

ある日、長男が、「20数年生きてきて、ずうっと親の言うとおりにしてきた。自分の人生を生きてこなかった」と言って、引きこもりました。子どもたちがちゃんと生きていけるように、子どものためによかれと思って育ててきたつもりでした。その結果がこれでした。母親として、何のために、何をしてきたんだろうか。私は、子どもの気持ちさえわからなかったことを思い知らされました。家族はバラバラで、神様のわざが現れるなんて、ほど遠い状態でした。次々といろいろなことが起こり、もう祈らなければやっていけない。「わたしが道であり、真理であり、いのちなのです」と言われるイエス様に求めるしかありませんでした。(新約聖書・ヨハネの福音書14章6節)

「神様」なんて言ったことのない私が、急に「神様」と言いだして、家族もさぞかしとまどったことでしょう。「そんなに神様、神様って言うなら、教会に住めば!」、「それなら修道院に行ったら!」などと言われることもたびたびでした。そんな中、引きこもりから人生に行き詰っていた長男が、洗礼を受けました。洗礼を受ければ母親がうるさく言わなくなるからだと、長男は言いました。その後、自分の将来に不安を覚えた娘も洗礼を受けました。

3人の子どものうち2人が洗礼を受けたからといって、家族の関係が素晴らしくなったわけではありません。それどころか、今まで何も言えなかった子どもたちが、両親に反発していろいろ言うようになり、互いにぶつかる。私も主人にさからって言うようになる。それまで自分の気持ちを伝えることに慣れていなかった家族は、お互いにうまく伝えることができずに、かえって傷つけ合い、もう収拾のつかない状態でした。それに、長男は受洗したとはいえ、まだ引きこもったままでした。

天国への希望

そんな状態が2、3年続きました。そして2005年の3月8日、大学卒業を目前にした次男が、心臓発作であっという間に亡くなりました。あまりに突然の出来事で、家族の誰もがこの事実を受け入れることができませんでした。しかし、この大きな悲しみの中にも、神様はすでにたくさんの慰めと励ましを備えてくださっていました。実は、次男は大学1年の時にアメリカ留学をしていて、ホームステイ先の牧師にすでに「神様を信じます」と信仰告白をしていたというのです。そのことを次男の死後に知らされ、息子は天の神様のところに行ったのだと確信することができました。そしてまた、数年前から教会に行くようになっていた主人が、自分もやがて息子のいる天国に行きたいからと、同じ3月末のイースターに洗礼を受けました。そして、引きこもていった長男も神様のことを知りたいからと、4月から沖縄にあるキリスト教の訓練学校へと旅立っていきました。その後、娘も同じ訓練校へ学びに行き、そこで出会った青年と結婚して、いまは熊本にいます。

次男の死から3カ月後、いつまでも悲しみに包まれている私に、神様は「悲しむ者は幸いです。その人たちは慰められるから」と語りかけてくださいました。(新約聖書・マタイの福音書5章4節)

このみことばの約束通り、それから2週間後、悲しみを注ぎだした祈りのあと、次男の「ママ、僕、だいじょうぶだよ」という声を聞きました。次男は天国でイエス様のもとで元気にやっているのだと受け取れた瞬間でした。会えない寂しさはありますが、やがて天国で再会できる希望をもって、次男の死を受け入れることができるようになっていきました。

 家族の回復

次男の召天を通して、子どもたちはそれぞれの一歩を踏み出していきました。長男夫婦は沖縄に、長女夫婦は熊本に、次男は天の御国で神様のそばにいます。かつては一つ家にいても心がバラバラに離れていた家族が、いまは離れて住んでいてもイエス・キリストという土台で心がつながっていることの幸いを思います。

いま思えば、どうしようもなく行き詰まり、壊れかけていた家族を、イエス様が回復してくださったのです。だからといって問題がなくなったわけではありません。私は相変わらず自分の気持ちをどう伝えたらいいかわかりません。よく主人に、「いつも上から目線で、自分が正しいと言っている」、「朝からずうっと、ああしろ、こうしろとうるさい」などと言われます。しかし、神様の愛の中で家族の関係はもう壊れないと安心しているからこそ、ありのまま言い合ったり、ぶつかったりできるんだと、いまでは感謝しています。

いつも私を支えてくれる聖書のことばがあります。新約聖書・ローマ人への手紙8章28節です。

「神を愛する人々、すなわち、神のご計画に従って召された人々のためには、神がすべてのことを働かせて益としてくださることを、私たちは知っています。」

私の失敗も悲しみも苦しみも、「すべて」を良きことに変えると約束してくださっている神様に信頼していきたいと願っています。
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