信仰の証
主の恵みを交わし。

イエス・キリストとの出会い(佐佐木 ヨシュア)

投稿者
tbic
投稿日
2020-12-07 22:31
閲覧数
161
空手がすべてでした。空手が人生の目的でした。しかし、試合の準備のためのハードな練習中に腰をケガしてしまい、それが原因で、空手を断念せざるを得なくなってしまいました。一七歳の時です。

七歳の時に空手を始め、一七歳の時まで、一日平均、六時間の練習をしていました。将来は、選手権を取りチャンピオンとなり、空手で人生を歩んで行くと信じていました。空手が人生の目的だったのです。それを失ってしまったのです。真っ暗なトンネルの中に一人いるような気分でした。

あっという間に、グレてしまいました。気がついたら二つの暴走族のリーダーと四つの高校の総番長になっていました。

ちょうどその頃、生まれて初めてラジオから流れるロックンロールを聞きました。道場で聞ける音楽は、詩吟や浪花節、軍歌や演歌でした。ですから初めてのロックンロールは本当に大きな衝撃でした。かっこいいと思いました。そして歌ってみたいと思いました。しかし学校では、ほとんど勉強していなかった私は、英語がさっぱり分かりませんでした。英語を習わないとロックンロールは歌えないなぁと思いました。

ある朝、新聞を読んでいると一枚のチラシが入っていました。白いペラペラの紙に赤い字で「英会話」と書いてあるとてもセンスの悪いチラシでした。キリスト教の教会の名前が書いてあったので少しうさんくさいなぁと思いながらも、一五〇〇円という値段にひかれて出かけていきました。いつものように、柳屋のポマードで頭をリーゼントに固め、革ジャンを着て、ヤマハのTX七五〇ccという大きなバイクの大きな排気音を響かせながら教会へ向かいました。教会といっても普通の家を使った開拓の教会で、私は第一号のお客さんでした。

中に入っていくと、牧師とダニエルという宣教師が待っていました。牧師は英語が分からず、ダニエルは日本語が分からないので、二人は黙って待っていました。第一号のお客さんに二人は期待していましたが、教会に入ってきた若者は、頭テカテカ、目つきが悪く眉毛もなかったので期待を裏切られたショックは相当であったようです。しばらく沈黙の時が流れていました。

しかし、とにかく次の週から英会話を習うことになりました。チンプンカンプンでしたが、ある日、ダニエルがオートバイ好きだと分かりました。当時、四国に住んでいましたので、二人で四国一周のオートバイ旅行に行くことになりました。

一週間の旅行の間、ダニエルは、私にコンコンと聖書の話をしていました。しかも英語で…、英語も分からないし、聖書にも興味がなかったので、すべて聞き流していました。しかしダニエルと共にいると彼の目が気になって仕方ありませんでした。本当に澄んだ、そして誠実な目でした。自分と違う何かを持っていると感じました。実際、彼は誠実で優しい男でした。グレてしまって、まともに付きあってくれる友達などいない私とも、一人の友として誠実に付き合ってくれました。そのことを本当に嬉しく思い、ダニエルが言うのだからイエス・キリストを信じといてやろうという思いで洗礼を受けました。それから半年の間、月曜から土曜までは暴走族、日曜日はクリスチャンという生活をしていました。

半年後、ダニエルは急にアメリカに帰ってしまいました。ダニエルのいない教会へは、すぐに行くことをやめてしまいました。そしてダニエルと出会う前よりも悪くなってしまいました。朝から酒を飲み、暴走を繰り返し、暴走族やチンピラ、ヤクザと喧嘩ばかりしている毎日でした。あまりにも狂暴なので、地元のヤクザからもうちに来ないかとリクルートがかかってしまいました。

しかし、私は心の奥底で、いつもまともになりたい、やり直したいという思いがあったので、その誘いから逃げるように東京に出て行きました。東京に行けば何かが変わる、何かを見つけて、まともになれると思っていました。でも現実は甘くありませんでした。何も変わりませんでした。今度は、六本木でチンピラです。何度も警察のやっかいになりました。

六本木での三年が過ぎようとしていた時、このままでは人生ダメになると真剣に悩みました。何か目的を見つけなくてはいけないと焦りました。その時、思い浮かんだのがロックンロールでした。ロックンロール歌手になろうと思いました。しかし、音楽など学んだこともなく、当然楽譜も読めず、しかも音痴でしたので、まずは音楽学校に行って音楽を勉強しようと決めました。無謀なことでしたが、まぐれで学校に入学することができました。

ところが、音楽学校に入って驚きました。それは学校では、ロックンロールを教えてくれないということが分かったからです。そして、もう一つの驚きは、学生の九〇パーセントが女性だったことでした。空手、暴走族、チンピラと男ばかりの世界にいた者にとっては、恐怖の世界でした。はじめの一カ月は学校に行くのが本当に怖かったです。二カ月目くらいから徐々に慣れてきて、三カ月を過ぎると喜びへと変わっていきました。そしてお花畑をさまよう狼のようになってしまいました。

音楽学校へ入学でき、私はこれで人生の目的を得たと思いました。しかし悪い生活習慣は体に染み付いていて、そこから抜け出すことは出来ませんでした。盛り場から学校へ行き、学校から盛り場へ帰って行くという、とんでもない学生でした。

ある秋の夜、いつものように六本木をチンピラ仲間と飲み歩いている時、ヤクザの喧嘩に巻き込まれてしまいました。一人のヤクザが刃渡り五〇センチくらいの短刀を構え私の方へ飛びかかってきました。その瞬間「あっ、死ぬ」と思いました。その時まで自分が死ぬと思ったこと、考えたことは一度もありませんでした。

「死ぬ」と思ったとたん、頭の中が真っ白になり記憶が途絶えてしまいました。気がつくと短刀は体に刺さってはいませんでしたが、顔の半分がグチャグチャに潰されていました。翌日から、その痛みの中で死について考え始めました。このままの生活を続けていると、いつかは、あの短刀が刺さって死ぬんだと思うと、恐ろしくなりました。もっとよく考えると、まともに生きていても、いつかは死ぬということに気づきました。そう考えるとなぜ、今自分が存在しているのかが分からなくなり体が震えるほどの恐怖感に襲われました。

ちょうどその頃、イタリア留学の話があり、なにはともあれ環境を変えたくてイタリアへ行きました。不思議なことにダニエルからもらった聖書をトランクに入れていきました。ミラノを南へ一〇〇キロくらい下ったクレモナという街に住むことになりました。冬は零下二〇度近くになり、霧が濃く、テレビも電話もない生活をしていたので、だんだん寂しさがつのってきました。日本語をしゃべりたいと思っても日本人がいないし、日本語を読みたいと思っても雑誌や新聞は手に入りません。しかたがないので、唯一日本語の書いてある本、ダニエルからもらった聖書を読み始めました。

ちょうどオペラを勉強していましたので、聖書は参考書として最高でした。また、眠れない時、三ページ読めば必ず眠れる睡眠薬として最適でした。しかしイタリアにいる四年間、残念ながら聖書は私に何も語ってはくれませんでした。ただの本に過ぎませんでした。聖書の中に登場するイエス・キリストは、おとぎ話の主人公としか思えませんでした。

イタリアでオペラやコンサートの仕事が入るようになり、私は欲が出てきて、ニューヨークへ行き、大きな劇場で演奏したいと思うようになりました。そして、その準備のために日本に一時帰国しました。本当に不思議なことに普通っていた教会を訪ねたくなりました。わざわざ四国へ帰って、その教会へ行きました。牧師と一時間くらい、イタリアでオペラ歌手をしている現在の状況などを話していた時、電話が鳴りました。甲子園リバイバルミッション(現・全日本リバイバルミッション)の事務局からの電話で、その年の甲子園球場で予定されていたクリスチャンの大集会のハレルヤコーラスの独唱者をさがしているという内容でした。電話を受けた牧師は、私に「やりませんか」と尋ねました。当時、私はクリスチャンであるなどという自覚は全くありませんでした。悪事を重ね、自分がどれほど、罪にまみれた汚い存在であるかということを、嫌というほど知っていました。そして今後どんな悪いことをしでかすか自分でも分からない、自分に対する不信感を持っていました。すぐに断ろうと思いました。しかし、甲子園球場で歌えるということは、大きな魅力でした。偽者のクリスチャンだとバレなければいい、そんな思いで「はい、やります」と答えてしまいました。

本番までの間、何回もミーティング、練習、そしてレコーディングなどがありました。それに参加するたびに、自己嫌悪に陥りました。私の目から見て、そこに集まっているクリスチャンがとても清らかに見えました。それに比べ自分がものすごく汚れた者であると思えてしかたありませんでした。何度もやめようと思いましたが、甲子園球場で歌いたいという思いで我慢しました。

一九九三年十一月六日、甲子園球場での本番の日です。夜の九時までの集会でしたが、八時三〇分頃に雨が降りそうになりました。私はセンターフィールドにあった出演者控え室になっていたテントの中にいました。突然まわりにいた牧師やスタッフ、そして音楽家たちがテントから飛び出して行き、空を見上げ「神さま、雨を止めてください」と祈り始めました。

大変なことになったと思いました。真似をしなければニセモノのクリスチャンだとバレてしまうと思い、あわててテントを飛び出し、祈る真似をしようとしました。

その時、頭のてっぺんから足のつま先まで、雷に打たれたようにすさまじい感動が走りました。それまで経験したことのない、ものすごい感動でした。涙が滝のように流れ止まらなくなりました。

そして、その時、二つの言葉が、私の心の奥底から口をついて出てきました。

「神さま、ごめんなさい」「神さま、本当にここにいてくれたんですね」

その時から、私の人生はまったく変わってしまいました。

イタリアにいた四年間、何度読んでもただの本だった聖書が神の言葉に変わりました。神さまは、聖書の言葉を通して私の心に語りかけてくださいます。驚くべきことです。

あの、おとぎ話の登場人物だと思っていたイエス・キリストは、本当に生きた私の神さま、そして友として私の前に現われてくれて、私と一対一で付き合ってくれる、そういう関係になりました。

一七歳の時、ダニエルと祈って以来、一度も祈ったことなどありませんでした。しかし天地万物、生命、分子や原子にいたるまで全てを創造し支配しておられる全知全能の神さまと祈りを通して直接お話ができることを知り、本当に嬉しくて仕方がありませんでした。

讃美が変わりました。それまでは本当に虚しい歌を歌っていました。いつも人のことを気にし、お客さんの評判を気にし、どうすればオーディションにパスするか、そんなことばかりを考えながら歌っていました。現在では、讃美を歌う時、必ずイエス・キリストという、この世で最高のオーディアンス(聞き手)が私の讃美を楽しみにし、そして聞いてくださるということを実感しています。このことは音楽家としての私の最高の誇りです。

イタリアに行く前からずっと捕らわれ続けていた死の恐怖からも解放されました。

ヨハネによる福音書三章一六節

「神はそのひとり子を賜わったほどに、この世を愛して下さった。それは御子を信じる者がひとりも滅びないで、永遠の命を得るためである。」

この言葉で完全に死の恐れを取り去ってくださいました。この言葉は一七歳の時からすでに知っていました。ただの言葉に過ぎなかった、その同じ言葉が信じるに足る神の言葉として心に迫ってきたのです。

一七歳の時、本当にいいかげんな気持ちでイエス・キリストに約束しました。「あなたを信じます。救い主として心にお迎えします」

しかし、私はイエス・キリストを裏切り、フラフラと心に大きな穴を開けたまま、とんでもない人生を送っていました。にもかかわらず、イエスは、そのいい加減な約束を信じ続けてくれていたことが分かりました。私の手を握り続けて放さずにいてくれたこと、そして、ずっと側にいてくれ、涙を流し私のために祈り続けてくれていたこと、ずっと愛し続けてくれていたことが心に迫ってきました。

遠い昔の物語だと思っていた二〇〇〇年前のイエス・キリストの十字架上での想像を絶する苦しみの犠牲が、すべて私の犯し続けてきた一つひとつの罪の身代わりであること、何よりも神を裏切り、ないがしろにし続けてきたとんでもない私の罪のための犠牲であったことが現実のこととして心に迫ってきたのです。

神さまがそこまでして、こんな極悪で卑劣な、とうてい赦されるはずもないような私を愛してくれているんだということが分かりました。

甲子園球場で神さまが無理やり、引き戻してくれなければ、今、この地上にいるかどうか分からないような、ひどい人生を送っていました。本当に心より主に感謝しています。
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